1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「21条違反で有罪」を最後まで懸念◆Vol.14

「21条違反で有罪」を最後まで懸念◆Vol.14

スペシャル企画 2015年2月4日 (水)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

※大野病院事件スペシャル対談のバックナンバーはこちら 安福 もう一つ怖かったのが、(医師法)21条の問題。(大野病院事件の福島地裁の判決の)「過失なき医療行為の結果だから、そもそも異状死に当たらない」という判決理由を読んだ時に、「これまた、すごいことを言い切ったな」と。では、「過失があったら、異状死と言うのか」と。 ――「過失なき医療行為」に当たるかどうかを、現場で判断することを求められてしまう。 安福 (逮捕から無罪判決まで)2年半もかかって、ようやく無罪であると判断された。それを「24時間以内に判断せよ」というのは、無茶苦茶なこと。 業務上過失致死罪に問われた加藤克彦氏。2008年8月20日、福島地裁は無罪判決を言い渡したが、主文で「無罪」と言われても、その後、判決内容を聞き、「これ、本当に無罪?」と思ったという。 ――ただ、公判では、21条のことは、あまり議論されなかった。 安福 もちろんやったのだけど、結局、「21条があるから、警察が逮捕する」わけではない。21条は、「入口」などとして、警察が使いたい時に使う、便利な道具でしかない。殺人事件の場合に、よく「住居不法侵入」「死体遺...