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福島の産婦人科医数、「いまだボトム」◆Vol.16

スペシャル企画 2015年2月9日 (月)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

※大野病院事件スペシャル対談のバックナンバーはこちら ――大野病院事件以降、「検察は謙抑的になった」との指摘もあります。 安福 でも、どこかで蘇ってくる可能性があると思っている。だから、刑事免責にして、医療事故を徹底的に検証できる体制を作る必要がある。その方が医療者だけでなく、遺族にとっても、それ以上の情報が得られないものが得られるという意味で、大事なことなんですよね。 ――今回の裁判を通じて、明らかになったことは何なのでしょうか。 安福 いつも私は言っていますが、「刑事裁判で真実が明らかになることはない」。というか、できない。制度として目的が違うから。刑事裁判は、刑事責任を追及する場であり、その理由の有無だけを検証するわけだから、加藤先生の行為だけを、それもある断面だけを取り上げて、議論する。 加藤先生の行為の何が問題になったかと言えば、「胎盤剥離を途中で止める」。そこしか問われていない。 震災の影響もあって、福島県は産婦人科医不足に悩んでいるという。 ――止めて、子宮摘出に移行すべきだったか否か、その1点のみだった。 安福 癒着胎盤とは何かとか、事前の経過観察の在り方や転送の必要性...