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「法は不可能を強いてはいけない」◆Vol.17

スペシャル企画 2015年2月11日 (水)  司会・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

※大野病院事件スペシャル対談のバックナンバーはこちら 安福 一番私が懸念しているのは、刑事責任の追及。その辺りは現場の方々はどうお考えですか。 加藤 「萎縮してしまうよね」という話は、ありますよね。 「法は不可能を強いてはいけない」というのが、安福謙二氏の持論だ。 安福 福島はやはり大野病院事件のイメージが、誰にでも残っていることもあって、「刑事責任追及への懸念が、他の地域と比べてどうしても高い」といったことは、あり得ますか。 加藤 周りから見れば、あると思います。実際は、「ない」と信じたいですが。ただ、僕の無罪が決まってからですが、教授がある会合で、福島県警の方と話をする機会があり、「最高裁で決まった判決ではないからね」と言われたという話を聞いて、そういう県警の人もいるんだな、と。 安福 それは負け惜しみでしょう。「ある警察幹部が、『このような判決が出るのは、今の社会の風潮に裁判所が乗っただけ』と言っていた」という話も聞きました。 私が一番恐れるのは、検察や警察が「自分たちの職業の誇りを傷つけられたくない」という防衛本能を持っていると、どこかでかたき討ちとは言わないまでも、自分たちの...