総合診療医の“失われた30年”取り戻せ - 有賀徹・日本専門医機構副理事長に聞く◆Vol.1
インタビュー
2015年2月3日 (火)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
「家庭医に関する懇談会と、全く同じ議論が繰り返されている」。2017年度からの新専門医制で、基本領域の一つとして新設される総合診療専門医をめぐる議論について、こう指摘するのは、日本専門医機構の副理事長で、同機構の「総合診療専門医に関する委員会」委員長を務める有賀徹氏(昭和大学病院長)だ。「家庭医に関する懇談会」は、旧厚生省が設置したもので、1985年から議論を開始し、1987年に報告書をまとめた。 有賀氏の委員会は、この3月には総合診療専門医に関する研修プログラムを作成予定だ。改めて総合診療専門医の必要性をお聞きするとともに、同委員会の最新の検討状況を説明してもらった(2015年1月24日にインタビュー。計2回の連載)。 ――まず 総合診療専門医の必要性について、どうお考えかをお聞かせください。 有賀徹氏は、「各科から上がってきた要望を、パッチワークで切り貼りしても、総合診療専門医を定義することはできない」と指摘する。 1985年の「家庭医に関する懇談会」(旧厚生省が設置。1987年に報告書作成)の議論が、分厚い報告書になっていますが、今また全く同じ議論が繰り返されています。 ――医療...
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