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発症後1日半で急死、インフルエンザ脳症

レポート 2015年2月5日 (木)  橋本佳子(m3.com編集長)

「インフルエンザ脳症で死亡した職員は、看護師という職にあったこともあり、プライバシーに配慮した形で、脳症の原因などを究明するため、カンファレンスを開催し、事後検証を行う予定。その結果、何らかの教訓を見いだし、他の施設の医療者とも情報共有できればと考えている」 院長の北野喜良氏は、個人情報に配慮しつつ、可能な限り、経過を説明。 こう語るのは、国立病院機構まつもと医療センター松本病院(長野県松本市)院長の北野喜良氏だ。同病院ではこの1月19日に記者会見を開き、患者21人、職員4人がインフルエンザに罹患、70代の白血病の男性患者がインフルエンザ肺炎で、40代の女性看護師がインフルエンザ脳症でそれぞれ死亡したことを公表した。看護師は急激な経過で悪化し、発熱から死亡まで、約1日半にすぎなかった。成人におけるインフルエンザ脳症は珍しいだけに、驚きを持ってこのニュースを受け止めた医療者は少なくない。 松本病院ではその後、院内感染対策の徹底や、全職員と全入院患者に対する抗インフルエンザ薬の予防投与などの対策を講じ、1月25日に院内感染の終息を確認、26日に「終息宣言」をしている。 同病院では既に、保健...