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後藤さんの死を悼む

オピニオン 2015年2月16日 (月)  鎌田實(諏訪中央病院名誉院長)

後藤健二さんが殺害される数日前、イラクからJIM-NETにメッセージが届いた。差出人は、イブラヒ・ムハムド(44)。イブラヒムは、ぼくたちJIM-NET(日本イラク医療支援ネットワーク、鎌田實代表)のイラク駐在のスタッフで、後藤さんと交流があった。 2004年8月、イブラヒムの妻は、白血病になった。 イラクでは治療できず、ヨルダンの首都アンマンに逃れ、がんセンターで治療を受けていた。 そのとき、アンマンの事務所に駐在していたJIM-NETの佐藤事務局長と出会う。 佐藤事務局長は日本に帰らざるを得なくなり、そのときヨルダンにいた後藤さんにイブラヒム夫婦の支援継続を依頼した。 後藤さんは、イブラヒムを支え、奥さんを何度も見舞っている。 奥さんは残念ながら亡くなったが、その後、イラクに帰るイブラヒムを、金銭面でも応援してくれたという。 後藤さんは、イブラヒムにこう言った。 「あなたの日本人の友人たちは遠く離れたところにいる。 でも、私はここにいるからあなたを助けたい」 これがきっけでイブラヒムは日本が好きになり、 学校の教師を辞め、JIM-NETのスタッフとなって、 小児病院の院内学級の先生...