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京大研究者「広告内容知らず」、CASE-J

レポート 2015年3月1日 (日)  池田宏之(m3.com編集部)

武田薬品工業の降圧剤ARB「ブロプレス」に関する臨床試験「CASE-J」の疑惑について、京都大学は2月27日に会見し、論文の結果について「問題がない」とする調査結果を公表した。統計的に有意差がないにも関わらず「ゴールデンクロス」などとして、「ブロプレス」投与群が優れているように見える図表が広告を用いられた点について、京大は、研究に携わった人物2人を厳重注意処分としたものの、「京大の関係者は広告に用いられた表に関与していない」「広告に使われたことを知らなかった」との結論となっている(結果は、京大のホームページに掲載)。 武田薬品が「広告に用いるために京大の研究者に働きかけて変更した」とする糖尿病新規発症の定義も、京大とは言い分が食い違ったまま。ノバルティスファーマ社の降圧剤「ディオバン」問題ではカルテデータと、論文データの相違が見つかったが、今回の調査では両者の突合を行っていないなど、徹底的な調査とは言い切れず、全容解明からは遠い内容だが、京大は今回の報告書を最終報告とする(『武田、CASE-J試験に一貫して関与』を参照)。 京大、内部調査委員会で調査 CASE-Jは、心血管イベントの発...