1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「医療費は財政改革の本丸」、経済財政諮問会議委員

「医療費は財政改革の本丸」、経済財政諮問会議委員

レポート 2015年3月6日 (金)  池田宏之(m3.com編集部)

日本医師会は3月5日、「少子高齢化時代を乗り切れるか~医療・介護の挑戦~」をテーマに、2014年度の医療政策シンポジウムを開催した。政府の医療政策などに大きな影響を及ぼしている経済財政諮問会議の民間議員を務める経済学者が「(医療を含む)社会保障費は、財政改革の本丸」「医療の質を落とさないまま改革が進められるのか」と述べ、財政の観点からの医療費抑制やサービスの質保証の圧力が続くことを伺わせた。一方で別の経済学者は、社会保障制度の設立にさかのぼって、小さな政府志向の中で社会保障費を抑制することに異を唱え、「医療費抑制は結果であっても目的ではない」と訴えた。 「費用」「質」「アクセス」が犠牲に 社会保障費抑制の必要性を訴えたのは、東京大学経済学研究科教授で、「薬価の毎年改定」のアイデアなどを示している経済財政諮問会議のメンバーでもある伊藤元重氏(国際経済学)。「財政から見た日本の医療」と題して講演した。 伊藤氏は講演の冒頭で、医療や介護などの社会保障費について、「日本の財政運営の本丸になりつつある」と指摘。医療が医療提供体制の構築などの内部の議論だけでなく、国家財政を検討する際の、最優先事項...