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BSL4施設の重要性「忘れられた感あり」

レポート 2015年3月12日 (木)  池田宏之(m3.com編集部)

日本医師会は3月11日、国内において、危険性の高い感染症の一種病原体を扱う「BSL4施設」の早期稼働を求める声明文を出した。昨年、エボラ出血熱の世界的な感染の広がりや、国内での疑い症例の発生などで、稼働を求める声があったが、感染が収束しつつある中、同日会見した常任理事の小森貢氏は、「(BSL4)施設の重要性が、少し忘れられた感がある」と指摘した。 BSL4施設は、国立感染症研究所の村山庁舎(東京都武蔵村山市)と、理化学研究所バイオリソースセンター(茨城県つくば市)に設置されているが、稼働していない。声明文では、BSL4施設について、全世界に約40カ所あり、主要先進8カ国(G8)の中で稼働していない国が日本のみである点を指摘し、「国際レベルの感染症対策をするための大きな障害となり、わが国の感染症研究が世界に遅れることが危惧される」と指摘。昨年の感染症法改正の議論で、参議院厚生労働委員会が「地域住民および関係自治体の理解を得る努力を進め、政府を挙げて指定・稼働に向けた環境整備を速やかに実施すること」との附帯決議を出していることを踏まえて、早期稼働を求めている。 小森氏は、昨年、エボラ出血熱...