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「自由放任主義的」な日本の今の医療 - 土居丈朗・慶應義塾大学経済学部教授に聞く◆Vol.4

インタビュー 2015年4月4日 (土)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――報告書を出されてから、2週間強ですが、何らかの反響や、対案などはありましたでしょうか(インタビューは、2015年3月5日に実施)。 対案というか、「もっと削れるのでは」という話を数件いただいています。 日本の医療の在り方について、今の在り方は自由度が高く、「もう少し管理された形での競争が必要」と土居丈朗氏は見る。 ――それはどんな立場の方でしょうか。 「調剤医療費の抑制・薬価の適正化」による削減は、0.8兆円と推計しており、それほど大きな額ではありません。しかし、規制改革系の人からは、「もっと削れる。3兆円は削れるのではないか」といった意見もありました。 ――医療界からは。 医療界からは、「なかなかスリリングな数字ですね」といった感想がありました。 ――提言では、医療提供体制について、「民間病院、国公立病院、大学病院が乱立し、自由競争を行う、世界でも類を見ない自由放任主義的な体制」と記すなど、刺激的な言葉を使っています。 医療関係者であれば、お分かりだと思うのです。医師の方が、「わが世の春」のように、自由を謳歌していると言っているのではなく、結局、「ジリ貧の自由」になっているのでは...