「総合診療医を育てることが重要」
オピニオン
2015年3月20日 (金)
鎌田實(諏訪中央病院名誉院長)
沖縄の研修医制度は、日本でも先頭を走るくらい進んでいる。 研修病院には、日本中の志の高い医学生たちが集まり、初期研修を受けている。 いま日本の医療を考えるなかで、いかに優秀な総合診療医を育てるかということが重要だとぼくは考えている。 総合診療医は、診療所では鬼に金棒。50床くらい小さな病院ならば、総合医が半数くらいいるといい。 もっと大きな、高度医療をしている病院でも、10%くらいいると医療がやさしくなる。 たとえば、高齢で心筋梗塞を起こしたが、糖尿病もあり、腎臓も肝臓の機能も悪いという患者さんなどは、総合診療医が主治医になるほうがいい。 カテーテルの治療のときだけ循環器のドクターに相談したり、糖尿病の治療が難しいときだけ糖尿病の専門医にアシストしてもらいながら、全体は総合医が診る。 そうすることで、高齢者に多いせん妄やほかの病気を起こすのを防ぐことができ、精神的なサポートもできるようになる。 優秀な総合診療医は、在宅ケアや緩和医療に興味をもち、なおかつ過剰診療をしない。 総コレステロールが220を超したからといって、すぐに薬を出したりしない。生活指導が丁寧である。超高齢社会にも対応し...
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