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第14回ザンクトガレン乳癌学会議の印象

オピニオン 2015年3月26日 (木)  渡辺亨(浜松オンコロジーセンター院長)

ザンクトガレン2015では、何かが大きくかわった、ということはありませんが、ざっくりとまとめるとだいたいこんな感じでしょうか。各領域で蓄積されたエビデンスが「ready for prime time」つまり、日常診療に着実に反映される準備ができました、という感じを強く受けました。しかし、一方で、「アナトミーからバイオロジーへ」という基本潮流は強く、確実に流れ続いており、やがて、近いうちに起きるであろう大きな変革が見えてきている、とも言えるでしょう。 免疫染色でホルモン受容体、HER2タンパク、Ki67を評価するという(セピア色の)20世紀のプラクティスは、まだ当面、続けなくては行けませんが、すでに遺伝子関連検査が出来上がっており、舞台の袖で出番を待っています。と言うよりは、先進国・地域では、オンコタイプDXにしてもPAM50(プロシグナ)にしても、マンマプリント、エンドプレディクトなどの予後、予測検査やBRCA遺伝子変異検査などは、当たり前のように臨床で使用されており、セピア色の検査は影を潜め、驚くほどに、遺伝子診断に移行しており、日常診療に導入されています。 一方、日本を含めた後進国...