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「10倍希釈忘れ」防止、新製剤を企業に要望

レポート 2015年3月28日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

産科医療補償制度の再発防止委員会委員長の池ノ上克氏。 産科医療補償制度の再発防止委員会は3月27日に記者会見を開き、第5回の「再発防止に関する報告書」を公表、新生児蘇生に用いられるアドレナリンについて、日本では0.1%製剤しか市販されていないため、今後、0.01%のプレフィルドシリンジを発売するよう、製薬企業に対して要望した。同制度で補償した脳性麻痺事例を原因分析した結果、新生児蘇生の際にアドレナリン投与された27件のうち、「日本版新生児蘇生法(NCPR)ガイドライン2010」において推奨されている10倍希釈をせずに投与された事例が8件あったため。 同委員会委員長の池ノ上克氏は、その原因について、新生児蘇生が必要になり、現場が混乱している状況が想定されるとし、より安全かつ速やかにアドレナリンを投与できるよう、製薬企業に対する要望を報告書に盛り込んだと説明。今後、製薬企業の団体などを通じて、働きかけていくとした。 再発防止委員会は、産科医療補償制度の補償対象事例について、再発防止策を検討、2009年の制度開始以降、毎年1回報告書としてまとめ公表している。アドレナリンのように複数の事例を基...