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東京圏の脆弱な医療提供への対応

オピニオン 2015年4月4日 (土)  河合雅司(産経新聞論説委員)

今後、東京圏が急速に老いていく。 国立社会保障・人口問題研究所(社人研)が65歳以上人口について2025年と2040年の伸びを推計しているが、東京都の場合、2010年の268万人を「100」とすれば、2025年には「124・0」、2040年には「153・7」と1・5倍に膨らむというのだ。75歳以上人口になるとさらに厳しく、2025年に「144・1」となり、2040年には「167・9」となる。 そうでなくとも東京圏への一極集中が続いている。社人研の予測を上回る勢いで地方の高齢者の東京流入が進めば、さらに高齢者数は増える。 これまで東京圏にある自治体はビジネス優先の効率的な街づくりをしてきたため、病院の療養病床や特別養護老人ホーム(特養)は不足している。高齢化が進むからといって突如、高齢者向けの街づくりに切り替わるとは思えない。 もちろん、東京都など対応に乗り出した事例もないわけではないが、用地取得1つとってみても地価が高く難航が予想される。これから本腰を入れるのでは、高齢者数の激増スピードに追いつくのは容易でないだろう。 問題は、ベッド数を確保すれば済む話ではないことだ。鉄道網の発達した...