「小室氏処分の権限なし」、東大と千葉大
レポート
2015年4月2日 (木)
池田宏之(m3.com編集部)
東京大学は、千葉大学で実施された降圧剤「バルサルタン」の医師主導臨床研究「VART Study」について3月31日、研究の責任者で、現在は同大循環器内科学教授の小室一成氏について、「研究不正行為はなかった」とする報告書を公開した(資料は、同大学のホームページ)。研究内容については、新たに観察期間の疑義を指摘し、研究の信頼性の低さを指摘している。 ただ、逮捕されたノバルティスファーマ社の元社員の所属の認識などについては、千葉大で調べた内容と食い違ったままになっている上、千葉大から検証のためのデータ提供を受けていないなど、調査を尽くしたとは言えない。さらに、処分については、東大は「権限がない」と言及、千葉大は処分者を現時点での在籍者のみに絞った。結局、両者とも、小室氏の処分する権限を持ち得ないとの見解で、医療界の自浄作用に大きな疑問符がつく結果となった。 小室氏証言「不自然」と指摘 東大は、問題について山口厚氏(早稲田大学教授)を委員長として、医師や弁護士、4人から成る調査委員会を立ち上げて、2014年11月から2015年3月まで調査を実施。関係者からの聞き取りなどをしたが、千葉大に対して...
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