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高齢者の薬物療法案 とてもいい提言です!

オピニオン 2015年4月6日 (月)  中村幸嗣(危機管理専門血液内科医)

日本老年医学会から「高齢者の安全な薬物療法ガイドライン2015案」が作成されました。その中で「ストップとスタート」というある意味思いきった提言がなされています。 例の抗精神薬、抗うつ薬、睡眠薬はまさにストップ(漫然と出すのはやめようという薬の代表)で、ステロイド、インシュリン、糖尿病薬(あのSGLT−2)、胃薬のH2ブロッカー、過活動膀胱薬、降圧薬の一部、抗血小板薬等もストップにあげられています。概して副作用が出やすい薬ですね。 そしてスタート(できれば積極的に使用しよう)には、インフルエンザと肺炎球菌ワクチン、降圧薬の一部(ACE、ARB(あのディオバンと同じ種類の武田のカンデサルタン)、スタチン、RA薬、抗パーキンソン薬、前立腺肥大薬等が挙げられ、認知症薬には漢方が挙げられています。ワクチン等はまさに予防医療ですね。 とてもいい提言だと思います。ただもちろん例外があります。 心筋梗塞おこした患者さんのバイアスピリンを、出血の副作用がでてしまったのでやめたら再梗塞をおこした事もありますし、抗うつ薬を使う事で元気になった高齢者もいます。 そして認知症にドネペジルを使うと周辺症状という精...