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「医療技術は神業、正しい倫理を」、稲盛和夫氏

スペシャル企画 2015年4月14日 (火)  池田宏之(m3.com編集部)

日本医学会総会の閉幕式の閉会講演で、京セラや第二電電(KDDI)の創業者の稲森和夫氏が、「医学と倫理―利他の心で世のため人のために尽くす」と題して講演した。稲森氏は、現代の医学の最先端技術について、「神業」と表現した上で、医療者が高い倫理観を持ち合わせていないと「取り返しがつかなくなる」と警告。自身の経営者としてエピソードを披露しながら「利他の精神」を持って、臨む重要性を強調した。 京セラの創業者の稲森和夫氏は、自身の経営体験を交えながら、「利他の精神」を説いた。 稲盛氏は、ヒポクラテスの誓いや「医は仁術」といった格言をひきながら、「医療者には高邁な倫理感や立派な哲学が求められてきた」と述べた。現在の高度な先端医療技術について、「先人の想像を超えているのではないか。人類は神業を手に入れて、自由に使い始めた」と指摘。クローンや遺伝子、再生医療などについて「最先端技術は悪用できる。生命倫理に反するなら取り返しがつかない」として、医療者こそ正しい哲学を持っていないといけないとした。 稲盛氏は、生涯に人がやり遂げる業績について、「能力、熱意、哲学の積」とする従来の持論も紹介。能力や熱意について...