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高久会長、「産官学+民」で社会ニーズに対応

スペシャル企画 2015年4月14日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

第29回日本医学会総会の4月11日の開会式で、日本医学会会長の高久史麿氏は、「わが国の医学研究の方向性」をテーマに講演、社会のニーズに応える研究を進めるためには、「産官学」だけでなく、「民」を加えた体制で取り組むべきと提言した。 日本医学会長の高久史麿氏。 高久氏が言及したのは、米国のオバマ大統領が、今年1月の一般教書演説の中で表明した「Precision Medicine Initiative」。ゲノムコホート研究などを行い、個別化医療の研究や実践などを想定している。100万人のボランティアを募り、取り組む計画だ。 高久氏は、基礎医学、社会医学、生命科学研究、臨床医学の4つの視点から講演。いずれも根拠となるデータを示しながら、米国と比べて、日本が遅れを取っていることに危機感を示した。特に問題視したのは、基礎から臨床応用への橋渡しなどに問題があることから、日本で新薬のシーズを開発しても、その製品化は海外で行われるケースがある点だ。 基礎研究についてはMDの研究者の少なさ、また社会医学では公衆衛生大学院の少なさ、それに伴う生物統計の専門家の少なさなどに懸念を呈した。STAP細胞の論文不正...