1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 信頼ある院内調査、外部委員が参画を

信頼ある院内調査、外部委員が参画を

スペシャル企画 2015年4月18日 (土)  橋本佳子(m3.com編集長)

第29回日本医学会総会の4月12日の特別企画「皆でつくる健康社会―医療や健康の安全文化にむけて」で、4人の演者のうち、2人が医療事故調査をテーマに講演した。共通していたのは、精度高く信頼性のある院内調査を行うために院外委員を加える必要性や、遺族の疑問に答えたり、調査結果についての説明を尽くす重要性だ。 2人とは、名古屋大学医学部附属病院医療の質・安全管理部教授の長尾能雅氏と、国立病院機構福岡東医療センター院長の上野道雄氏。 長尾氏は、院内調査への外部委員の参加は必須ではないとしたものの、「過去の経験から言えば、やはり外部委員が入り、何回か議論を重ねながらまとめる報告書が結局、一番信頼されると思う」とコメント。調査報告書については、遺族への交付で賛否が分かれるが(『“事故調”の説明、「遺族が希望する方法で」』を参照)、「事故事実の共有が甘い中で、説明を行っても、それは催眠術にすぎない」とする長尾氏は、前任の京大病院時代の6年間に約40件、名大時代の4年間に約10件、外部委員の経験を合わせて約60件弱の報告書を作成、全て遺族側に交付しているが、これまで報告書交付を基に民事訴訟に発展した例は...