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毀損された双葉病院の名誉、いまだ回復せず

レポート 2015年4月21日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

双葉病院(福島県大熊町)などを経営する医療法人博文会が、福島県を訴え、謝罪広告の掲載などを求めた名誉毀損裁判で4月21日、口頭弁論が開かれ、福島地裁(金澤秀樹裁判長)は和解を勧告した。今後、和解に向けた協議が進められる。 裁判所との話し合い後、取材に応じた博文会の代理人を務める喜田村洋一弁護士は、「裁判所は、双葉病院の名誉は回復されているとは思っておらず、何らかの手段を取ることはできないか、と福島県に検討を求めている」と説明。また和解勧告が出たことについて、喜田村氏は「妥当」と答えた。本裁判は、県が判決で求められ、謝罪するのではなく、県が自ら非を認め、謝罪するのが筋と考えるからだ。 博文会が提訴したのは、東日本大震災から3年目に当たる2014年3月11日(『「謝罪広告」と説明求め、福島県を提訴』を参照)。双葉病院は、福島第一原発から約4.5kmの場所にある。原発事故直後、行政をはじめ各方面に患者救出への協力を依頼したものの、対応が後回しにされ、患者救出が遅れた結果、2011年3月18日、「双葉病院が、患者を置き去りにした。患者の搬送に付き添わなかった」などと、事実とは異なる“バッシング...