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「死因は禁忌薬の使用」、女子医大第三者委

レポート 2015年4月27日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

東京女子医科大学病院は4月27日、2014年2月のプロポフォール投与事故について、「プロポフォール注入症候群が直接死因とするのが妥当」とする、第三者委員会による調査報告書を公表した(資料は、同病院のホームページに掲載)。約70時間の長時間にわたり、小児鎮静用には禁忌薬のプロポフォール投与を継続したことは、「医学的に合目的な理由は見いだせない」と判断するなど、術後管理を担当した中央ICU医師団の判断や行為に疑義を呈する内容になっている。 その一方で、中央ICUと主治医が属する耳鼻咽喉科との連携不足、それに伴う情報共有不足、家族への説明不足のほか、薬剤師の疑義照会が適切に行われなかったなど、チーム医療が機能していなかったことも問題視した。 女子医大病院では、調査報告書とともに、それを踏まえた「総括」を同時に公表。「最大の問題点は、治療に当たった医師個人というよりも、医療安全管理システムの機能不全」と受け止め、病院にとどまらず、学校法人全体で医療安全への取り組みを展開していく方針を掲げている。 本事故は、頸部膿胞性リンパ管腫術を受けた、2歳10カ月の男児に対し、人工呼吸中の小児鎮静用には禁忌...