事故調“入口”と“出口”がカギ - 松原謙二・日医副会長に聞く◆Vol.5
インタビュー
2015年5月9日 (土)
聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)
――医療事故そのものが増加しているかは不明ですが、医療事故調査制度の創設も関係しているためか、福島県立大野病院事件の2008年の無罪判決以降は医療事故報道が減ったものの、最近は増えているように思います。医療界として改めるべきところは改める必要がありますが、一方でメディアによる報道が過熱すると、現場の医療者が萎縮するのでは、と懸念しています。先生はどうお感じですか。 医療事故調査制度の運営に当たっては、厚労省と十分に議論していくとする、日医副会長の松原謙二氏(写真提供:日本医師会) 群馬大学の事故報告書を読みましたが、ガバナンスが働いていないので、それは内部できちんとしていきたい。同時に、一生懸命に善意で努力している先生方をバッシングするようなことはやめていただきたいと思っています。 ――最近の事件を機に、日医として何らかの対応を行うことは想定しているのでしょうか。 最終的な調査結果を見てから、私たちは適切な対応をしたいと考えています。もしかしたら、これらは氷山の一角かもしれません。大事なことは、患者さんの幸福のために我々の医療があるということです。医学の進歩のために、無理をしていた医師...
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