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「闘病記」に見る癌との戦い方

オピニオン 2015年5月10日 (日)  中村幸嗣(危機管理専門血液内科医)

元自衛隊出身の俳優の今井さんが大腸がんとの戦いを公表し、舞台降板を報告されました。(今井雅之「病いには勝てなかったです 大腸がん末期!昨年8月に異変」)そのなかで様々な現代のがん治療の問題が再確認できました。 >昨年の8月だった。腹部に痛みが続いて病院へ行ったが、「腸の風邪」という診断だった。 初診時に「腸の風邪」、いわゆる腸炎と診断するのは仕方がありません。腹痛の症状にもよりますが、3ヶ月全身状態を悪化させない位の腹痛なら、90%以上は感染性腸炎、いわゆる「腸の風邪」であることがほとんどです。 >11月に大阪での仕事の休みの日に西宮の病院で診てもらったところ、CTスキャンで「末期がん」「ステージ4」といわれた。がんが腸の2、3か所を塞いでしまって、あと1回か2回食事、水を摂っていたら破裂するところだった。 この3ヶ月痛みが改善しなかったのでしょうが、できればもう少し早く、少なくとも1ヶ月以内には再度受診して欲しかった。そうすれば90%ではないという情報が医療者に共有され、次のステップにもっと早く移れたはず。 >本人には知らされなかったが、「余命3日」といわれ、手術もできないというのを...