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鳥インフル、ヤコブ病は不適切病名か

レポート 2015年5月15日 (金)  成相通子(m3.com編集部)

鳥インフルエンザやクロイツフェルト・ヤコブ病、中東呼吸器症候群は病名として不適切――。地名や人名、動物名を含む病名は、不必要な悪影響があるとして、WHOは5月、感染症などの新しい病名を付ける際に避けるべきだとするベスト・プラクティスを公表した。各国当局や科学者、メディアに対し、それに従うよう呼び掛けている(WHOのホームページを参照)。 ホームページで、WHOの福田敬二事務局長補は、「豚インフルエンザや中東呼吸器症候群などの病名の使用は、特定地域や経済分野にレッテルを貼り、意図しない悪影響を与えてきた」と指摘。「一部にとっては些細なことかもしれないが、直接関係する人々にとっては大問題。そのような名前は、特定の宗教や民族に対する反発を引き起こし、移動や貿易における不当な障壁になり、食用動物の不必要な殺処分につながる。人々の命と生活に関わる深刻な結果を招きかねない」と公表した理由を説明している。 ベスト・プラクティスは、社会的影響を与えるような、一般名がまだない新たに発見・報告された人間の病気に限定され、既に普及している病名には適用されない。WHOは「科学者以外が名前を付けるケースも多く、...