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「がんのスティグマ払拭」も課題 - 天野慎介・全がん連理事長に聞く◆Vol.3

インタビュー 2015年6月2日 (火)  聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

――ロビイングのほか、日々の活動でも、海外と日本では、患者団体の活動は違うことが多いのでしょうか。 「医師の一言で、患者は支えられる」と述べる天野慎介氏は、患者の社会生活も念頭に置いた対応の必要性を強調する。 違いますね。米国はいろいろな意味で「突き抜けている」ので、参考にならないこともありますが、米国の患者団体のトップに患者さんが就く例は少なく、患者団体がMBA(経営学修士)を取得したような方の就職先の一つになっています。経営のプロに任せて、お金もしっかり集めて運営する。以前、私が米国国務省のプログラムで米国視察をした際、米国の大きな患者団体では参考にならないので、小さい団体の紹介を国務省にお願いしました。紹介してもらったニューヨークの患者団体の担当者は、「参考にならないと思いますが……」と申し訳なさそうにあいさつされたので、年間予算を聞いたら、約100万ドルでした(笑)。 ――それだけの予算を何に使っているのでしょうか。 その団体は、患者さんから会費は取っていません。例えば、がんと診断した人に対しては、患者さんが必要とするツールが一式入ったボックスを無料で送っています。その中には、...