1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 「糖尿病なら、がんを疑え」「認知症も生活習慣病」

「糖尿病なら、がんを疑え」「認知症も生活習慣病」

レポート 2015年5月26日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

九州大学大学院医学研究院環境医学教授の清原裕氏。 5月23日に福岡市で開催された第4回臨床高血圧フォーラムで、九州大学大学院医学研究院環境医学教授の清原裕氏は、「日本人の生活習慣病の時代的変遷―半世紀に及ぶ久山町研究からのメッセージ」と題して講演、「糖尿病患者を診たら、がんを疑え」「認知症も生活習慣病」などと述べ、糖尿病により、がんや認知症の発症リスクが高まることが、最近の研究により明らかになってきたと報告した。 当初は脳卒中など心血管疾患の実態調査からスタートした「久山町研究」では、高血圧対策や喫煙対策などで心血管疾患は減少した一方、糖尿病など代謝性疾患が新たな健康上のリスクとなり、その管理が重要課題になっている。 清原氏は、「昔の教科書には、糖尿病の合併症として、がんは書かれていなかった。今は、糖尿病の患者を診たら、がんを常に頭に置かないといけない」と指摘し、その理由について、競合リスクの考え方に基づき、「一つの原因が、二つ以上の結果をもたらすことがある。糖尿病患者は、以前は動脈硬化性疾患による死亡が多かったので、がんとの関係は見られなかった。しかし、動脈硬化性疾患による死亡の減少...