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造影剤の誤投与、病院の安全管理にも問題

レポート 2015年5月25日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)の造影剤の誤投与事故で、業務上過失致死罪に問われた整形外科医の第2回公判が東京地裁裁(大野勝則裁判長)で5月25日に開かれた。情状立証のために、上司に当たる同院の整形外科診療科長の医師への尋問と整形外科医本人への尋問が行われたほか、遺族2人が意見陳述した。 診療科長は、「我々にも至らない点があった」などと述べ、病院の医療安全管理体制に問題があったことを認めた一方、死亡した患者の2人の息子は、「医師としての資格に欠ける」「医師を辞めてもらいたい」と訴え、整形外科医個人の責任を強く追及した。 本事故は、2014年4月16日に、脊髄造影検査には禁忌のウログラフイン60%注射液を誤投与し、患者が同日に死亡した事故。今年5月8日の初公判で、整形外科医は誤投与の事実を認めていた(『造影剤の誤投与事故、「間違いない」と担当医』を参照)。 国立国際医療研究センター病院は今回の事故後、脊髄造影検査のマニュアルを新たに作成したり、ダブルチェック体制を構築するなど、医療安全体制の見直しを行っている。診療科長は、見直し後の体制が事故当時に構築されていれば、同様の事故...