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造影剤誤投与「過失は重大」、禁錮1年求刑

レポート 2015年6月8日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

国立国際医療研究センター病院(東京都新宿区)の造影剤の誤投与事故で、業務上過失致死罪に問われた整形外科医の第3回公判が6月8日、東京地裁(大野勝則裁判長)で開かれ、検察は禁錮1年を求刑した。本裁判は第3回公判で結審し、7月14日に判決が言い渡される予定。 本事故は、2014年4月16日に、腰部脊柱管狭窄症の再発疑いの78 歳女性に対し、脊髄造影検査には禁忌のウログラフイン60%注射液を誤投与し、患者が同日に急性呼吸不全で死亡した事故(『造影剤の誤投与、病院の安全管理にも問題』などを参照)。 検察は論告で、添付文書を確認して薬の誤投与を防止することは、「医師としての責務。基本的かつ重大な注意義務」と指摘。その上で、整形外科医が造影剤について不勉強であり、国立国際医療研究センター病院の医薬品情報管理室に問い合わせなかったことなどを問題視し、造影剤の誤投与がなければ患者の生命の安全が脅かされる可能性はほぼ皆無であったとし、「被告の過失は重い」とした。同病院の医薬品の安全管理体制が十分であったか否かなどについては、今回の事故では、医師としての基本的な注意義務を怠った事案であるため、重視すべきで...