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産業医が訴えられる可能性も- 野村忍・早稲田大学人間科学学術院教授に聞く◆Vol.2

インタビュー 2015年7月3日 (金)  聞き手・まとめ:成相通子(m3.com編集部)

――ストレスチェック制度では、クレーマーが面談の対象になって、産業医が被害を受ける可能性もあると聞きます。どういうことでしょうか。 心身医学を専門とし、自身も産業医の経験がある早稲田大学人間科学学術院教授、野村忍氏に伺った。 チェックは自記式で出すので、自分で正直に付けないケースもあると考えられます。例えば、うつがひどくても「これを書くとまずいからそうでもない風に書いておこう」とするのも可能であり、その反対に「大したことないけど、オーバーに書いておこう」というのもあり得ます。両方の可能性があるので、社内教育や研修を行って正直に書いてもらうことを周知する必要があります。 それから、面談してその面談結果を踏まえて就業上の配慮をする前提なので、もし、ある労働者が「職場で業務を減らしたい」とか「もうちょっとのんびりしたい」と考えて、「点数を高めに付けて面談した結果、業務を減らして楽な環境に移してもらった」といったケースがあり得ます。そこをどう判断するかが産業医にかかってきます。 社員が「こうして欲しかったのにしてくれなかった」とか、極端な例で言えば「過重労働が積み重なって、産業医に話をしても全...