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不十分な項目、実効性に問題- 野村忍・早稲田大学人間科学学術院教授に聞く◆Vol.3

インタビュー 2015年7月11日 (土)  聞き手・まとめ:成相通子(m3.com編集部)

――産業医にとっては負担が大きい新制度ですが、どのようなメリットがあるのでしょうか。 心身医学を専門とし、自身も産業医の経験がある早稲田大学人間科学学術院教授、野村忍氏に伺った。 メリットはメンタルヘルスの一次予防が挙げられますが、実は今の57項目では非常に不十分です。もし一次予防をやるなら職場のストレス要因、環境要因をきちんとチェックできるようなツールを使わないといけないと思います。 厚生労働省の57項目では、職場の要因に関する項目が数項目しかなく、メンタルヘルスの一次予防には不十分だと思います。 ――57項目の妥当性は新制度の検討会でも問題になっていました。 57項目では一次予防にも、二次予防にも不十分です。メンタルに関する項目も数項目で、それで拾い上げるのはどうかと思います。例えば民間企業が提供しているものでは200項目ぐらい、多くの質問項目でいろんな要因を踏み込んで調べようというツールがあります。そうしたものを使った方が役に立つ可能性はあります。 ――メンタルを専門としない医師が産業医をされている場合、急に57項目を渡されると混乱が起きないでしょうか。 困るでしょうね。厚労省の...