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ジェネリック医薬品の今と未来を考える 第3回

オピニオン 2015年6月26日 (金)  漆畑 稔氏(日本ジェネリック医薬品学会理事)

将来の医療制度を考えるうえで後発医薬品(ジェネリック医薬品)の普及率アップは避けては通れない課題です。今連載では、後発医薬品の現状と課題について日本ジェネリック医薬品学会理事の漆畑稔先生にうかがいます。 第2回では、アメリカ、フランスでの後発医薬品使用促進の状況に少しだけ触れました。いずれも医療や医薬品の先進国であり、かつ後発医薬品使用促進の先進国です。今回はそれら”医療先進国”には及びませんが、海外事例としてロシアとニュージーランドの医療、後発医薬品事情をお伝えします。 ロシア 日本に限らず、世界のどこでも自国の医療の充実は今も昔も大きな課題だ。ロシアでは、男性の平均寿命は60歳に届いていない。国民はその理由を「ウオッカの飲み過ぎと寒さのため」と言うが、それらに加えて不十分な医療提供体制や医薬品の不足も、平均寿命の低さの理由として考えられる。 そこでプーチン政権は、平均寿命を現在より2歳伸ばすことを重要な政策目標の一つに掲げているのだ。男女とも平均寿命が80歳を超えている我が国からすると驚きである。 現在、ロシアが平均寿命を延ばすために取り組んでいるのが医療の充実だ。その具体的な施策...