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超高齢者の抗がん剤治療!

オピニオン 2015年6月27日 (土)  中村幸嗣(危機管理専門血液内科医)

大学病院の診療。基本しっかりした取り決めのもと行っていく必用があります。昔の何となくのさじ加減は極力行わなくなっています。 有名な日本医大の勝俣先生等もよくお話されていますが、「エビデンスに基づいて治療をおこなわないと意味がない!」「中途半端な減量や中途半端な治療延期は意味がない!」その通りです。 ただここでひとつ例を出します。 血液疾患において、骨髄中の芽球が20%を越えたら白血病、20%未満ならMDSという取り決めがあります。血液内科重鎮の田村先生等は数字は意味がないとお話しされていますが、血液疾患も含めて色々な数字が決められておりそれによって治療が変更します。 以前のJALSGのデータによると、75を越えた白血病(芽球20%越え)は抗がん剤治療しても輸血だけの支持療法と比べて生存率は変らなかったたというエビデンスがあり、JALSGのホームページには以下のように書かれています。(わかりやすい白血病の話:2011年ですので少し古い) 65歳以上の患者さんの急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病ともに完全寛解率は60%台であり、一旦寛解しても多くは再発しますので、ほとんど治癒は期待できま...