かかりつけ医と総合診療専門医は別物

日本医師会会長の横倉義武氏。 6月28日の日本医師会定例代議員会で、日医会長の横倉義武氏は、「総合診療専門医は、あくまで学問体系の裏付けとしての専門医であり、医療提供体制とは全く別物であるという位置付け」と述べ、総合診療専門医が、医療提供体制の基礎をなす診療報酬上で評価されることは想定していないとの考えを示唆した。 既にかかりつけ医としての役割を果たしている開業医の間には、「総合診療専門医を新たに取得しなければいけないのか」との不安の声がある中、注目される発言であり、日医常任理事の釜萢敏氏も、「新たに総合診療専門医を目指す必要はない」と説明した。釜萢常任理事は、かかりつけ医は、総合診療専門医に限らず、「全ての専門医を包含した幅広い概念」であるとし、今後の高齢社会を支えるためには、かかりつけ医の機能強化こそが重要であると強調、日医としてその研修を新たに提供するための検討を進めていると説明した。 その一方で、日医常任理事の小森貴氏は、「総合診療専門医の養成には、実質的に地域医師会の協力が無ければ、成り立たない」とも指摘。日医としては、かかりつけ医の充実を図る一方、地域の開業医らの経験を生か...