「医師有罪」では医療安全につながらず
レポート
2015年7月9日 (木)
橋本佳子(m3.com編集長)
東京保険医協会勤務医委員会委員の佐藤一樹氏。 東京保険医協会は7月9日、国立国際医療研究センター病院の造影剤ウログラフイン投与事故に関して厚生労働省内で会見し、事故の当事者である整形外科医の再出発、さらには医療安全のために、「寛大な判決文と説諭」を求める嘆願書を東京地裁に提出したことを説明した。同協会の嘆願書は、6月15日付。過去において、医師が業務上過失致死罪で有罪になっても同様の誤投与事故が繰り返されていることから、「個人の責任を追及しても、再発防止には全く役に立たないことは明らか」と指摘している(『「寛大な判決を」、造影剤誤投与事件で嘆願書』を参照)。 本事故は2014年4月に発生、整形外科医が業務上過失致死罪で起訴され、今年5月8日に初公判、6月8日の第3回公判で結審、7月14日に東京地裁で判決が言い渡される予定だ(『造影剤誤投与「過失は重大」、禁錮1年求刑』を参照)。 会見に出席したのは東京保険医協会会長の拝殿清名氏、同協会勤務医委員会委員長の細田悟氏、同委員会委員の佐藤一樹氏。佐藤氏は、嘆願書提出が結審後になった理由について、過去の裁判例を見ると、今回も有罪は避けがたいと考...
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