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コミュニケーションスキルと脳科学

オピニオン 2015年7月24日 (金)  枝川義邦(早稲田大学研究戦略センター教授)

人と人がコミュニケーションを取る際、脳はどのように働いているのでしょうか。早稲田大学ビジネススクールにて『経営と脳科学』の講座を持つ枝川義邦氏が、そのメカニズムを解説します。今回のテーマは「顔が見えるコミュニケーション」。電話での対応が脳に高い負荷をかけていることからみていきましょう。 電話対応の難しさ 電話での応対は、薬局業務では避けては通れないものの一つです。忙しい調剤の合間にかかってくる電話。まずは相手がどこの誰でどんな状態なのかを想像するところから始まります。相手が電話をかけ慣れていれば、話はスムーズに進むのかもしれませんが、多くはそのような好ましい状況ではないものです。大抵の場合、電話の向こうでは、なにか困っていたり、怒っていたりと、決して穏やかな空気は流れていないもの。どのような話なのか、実際に面と向かっていればすぐに分かることでも、電話での情報伝達では、それがなかなか伝わりにくいということもあります。 顔が見えない状態でのコミュニケーションは得てして難しいものです。特に相手の伝えたいことを正確に把握して、それに対する的確な返答を強いられる薬局業務では、電話の相手の真意が掴...