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ガイドラインと医療 結局は医者の腕?

オピニオン 2015年7月27日 (月)  中村幸嗣(危機管理専門血液内科医)

現代の医療にはガイドライン、その病気に対してどのような診断、治療をおこなうかという教科書的なものが存在します。基本的にそのガイドラインはエビデンスという統計学的に正しい証拠の基に作成されていますので、その当時の最善に近い医療となります。(ちなみに数年前の結果) そのエビデンスのもとは臨床試験です。あるお薬を使った人とそうでない人の結果を比べて、この薬が優れているなんて結果が出れば、そのお薬がその疾患のガイドラインで推奨されます。ちなみにこの臨床試験で問題があったのがあの捏造の降圧薬ディオバンになります。 ところが臨床試験は登録するのにいろいろな制限があります。パフォーマンスステイタス 0・1、年齢65歳未満、腎機能正常、心機能正常、重篤な併存症なし、他のがんの既往・現況なし、など試験によって参加基準が全然異なります。ある意味その病気以外は体の状況がとてもいい状態の人を評価対象にするのです。(本題とははずれますが、日本で臨床試験があまり行われないのはこの臨床試験に参加することをモルモットと思う人が少なからずいるということ、また危険なことはしたくないという国民性、そして臨床試験に携わるマン...