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親元離れ、旧制五高に進学◆Vol.4

スペシャル企画 2015年8月4日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――高校は、地元の福岡ではなく、ナンバースクール、つまり熊本にある旧制第五高等学校に進んだ。 花陵会の前で(写真提供:高久氏) 旧制の高等学校に入るためには、普通は中学5年生で受験するのですが、昔は4年生でも受けられました。それで私も4年で受けたら、運よく熊本の旧制第五高等学校に合格しました。私の兄が通っていたのは福岡高等学校。私も近くだから受験しようかと思ったのですが、兄が「九州だったら、五高がいい」と言うので、五高にしたのです。 五高を受験するため、熊本まで泊りがけで行きました。小倉中学校からの受験生は皆、同じ宿舎に泊まったのですが、同室だったのが、別のクラスの非常に成績のいい学生。その学生が試験後、自信満々に「全部できた」と言っていました。私はあまりできなかったので、「もう落ちたから」と言って、翌日の身体検査を受けずに帰ろうとしたのです。そうしたら、一緒に熊本に来ていた父が「身体検査くらい、受けておけ」って言うので、仕方なく受けました。結果的には私が合格し、「全部できた」と言っていた学生は落ちてしまいました。あの頃、小倉中学校には、1学年は200人くらいいましたかね。そのうち、五...