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医薬品ネット販売解禁は薬剤師への教訓だ

オピニオン 2015年8月3日 (月)  高村 徳人氏(薬学博士)

一般用医薬品ネット販売解禁の要因となったものとは 一般用医薬品のネット販売解禁が意味することとは 一般用医薬品のネット販売解禁は、薬剤師にとって重大な問題である。というのも、今回の解禁に至ったのには政治的な要因があったかもしれないが、ネット販売の解禁対象となった医薬品は、薬剤師の説明を必要としないという判断が社会から下されたとも捉えられるからだ。薬剤師の立場からすれば、医薬品の適正な使用を推進し、国民の健康衛生と安全を守るという薬剤師の役割を発揮する機会が失われてしまったように思われるが、一方で患者(=国民)はどう感じているのだろうか。 ドラッグストア・薬局における「一般用医薬品と薬剤師」 ドラッグストアで一般用医薬品を購入する場合、医薬品をレジに持って行くと「お薬の説明は必要ですか」と、尋ねられる。薬剤師である私はもちろん不要なのだが、私だけに限らず多くの人が「必要ありません」と答えているのを目にする。薬局の場合は、一般用医薬品の取り扱いが少なく、値段もドラッグストアと違って割引されないことがほとんどなので、患者はそもそも薬局で一般用医薬品を購入する機会自体が乏しい。 つまり、これま...