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米シカゴ大学に留学、そこで学んだことは?◆Vol.12

スペシャル企画 2015年8月12日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――群馬大学から東京大学に戻った後、1962年から1963年までの1年間、米国のシカゴ大学に留学した。 留学先で実際に私が付いたのは、Eugene Goldwasser教授。彼はバイオケミスト(生化学者)で、EPOの純化に取り組んでいました。けれども、私はあまり純化には興味がなく、EPOについてのin vitroの研究をして、その成果を3本の論文にまとめました。 留学当時のシカゴ大学(写真提供:高久氏) 留学時代、研究以上に印象に残っているのが幾つかのエピソード。ある時、シカゴのあるお金持ちの方の家に、シカゴ大学医学部の留学生たちが、夕食に呼ばれたことがあります。5、6人くらいだったかな。そのお金持ちの方は、医学部の学生に奨学金を個人的に出していた。けれども、その家の息子は、アルバイトをしながら、別の大学に通ったのです。私は、「なぜ息子さんに、学費を出さないのか」と聞いたら、「うちの息子は、出来が良くないので、どうせお金を出すなら、シカゴ大学の医学生に出した方が、社会のためになる」と。「アメリカには、こうした考えをする人がいるものだな」と感心しましたね。 それから、学んだのは、ある教授...