麻酔科医の労災訴訟の控訴審、1回の弁論で結審
レポート
2015年8月5日 (水)
橋本佳子(m3.com編集長)
麻酔科医が脳出血を来し、遷延性意識障害で寝たきりになったのは、過重労働が原因であるとして、神奈川県内の病院に、約3億5000万円の損害賠償を求めた控訴審の第1回弁論が8月3日、東京高裁(石井忠雄裁判長)で開かれた。裁判は1回で結審、東京高裁は和解を勧告した。原告と被告ともに、和解交渉に応じるかどうかは未定。和解交渉に入らなかったり、和解交渉に入っても決裂すれば、判決は今年10月14日に言い渡される予定。 今年4月の東京地裁判決では、原告の麻酔科医の業務の過重性そのものが否定され、請求が棄却された(『全80大学の麻酔科教授に訴訟支援を要望』を参照)。 3日の弁論では、証拠等の確認のほか、原告の麻酔科医の妻と、代理人弁護士2人が意見陳述し、20分足らずで終了した。原告側は、被告側の答弁書が出て間もないこともあり、それに対する反論の機会として再度、弁論期日を設けるよう求めたが、裁判所はこれ以上、新たな主張などは出てこないと退け、第1回弁論で結審した。 意見陳述で、麻酔科医の妻は、「病院での仕事の過労が原因で倒れたと確信している。一審の判決は全く納得できない。公正な判決をお願いする」と訴えた。...
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