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臨床実習の場、大学だけにあらず◆山形大学Vol.2

スペシャル企画 2015年8月10日 (月)  橋本佳子(m3.com編集長)

医学生が臨床実習の場で経験する症例が広がり、大学にとっても、実習の受け入れ病院を増やすことにより、臨床実習を74週まで増やすことができ、“2023年問題”をクリアできる。病院側も、卒業後の研修先としてアピールでき、県にとっても卒業後に地元に定着する医師の増加につながる……。 山形大学医学部教務委員会委員長の上野義之氏 医学生、大学、病院、県がいずれも、「Win-Win」の関係を築くことができるプロジェクト。それは山形大学が、2012年から始めた「山形県広域連携臨床実習協定」だ。連携先は3病院から試験的にスタート、現在は県下各地域の基幹病院など14病院に増えた。5年生と6年生の参加型臨床実習において、学外の病院での実習は必修だ。1病院に付き、研修期間は1カ月。全ての学生は地域の3病院で研修することになる。 山形大学医学部教務委員会委員長を務める上野義之氏(第二内科教授)は、「学外での参加型臨床実習を必修化し、しかも3病院で1カ月間ずつ、合計3カ月間行うのは、全国的にも珍しいのではないか」と話す。医学生にとっての教育効果は高く、「経験症例が豊富になる上、紹介患者が多い大学病院とは異なり、診...