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教育、臨床、研究は三位一体◆山形大学Vol.4

スペシャル企画 2015年8月12日 (水)  橋本佳子(m3.com編集長)

――山形大学では、医学教育の新しい取り組みを、他大学に先んじて実施されています。医学教育に対する基本的な考えをまずお聞かせください。 山形大学医学部長の山下英俊氏 山形大学では、嘉山孝正先生(前医学部長)が2002年4月に病院長、2003年10月から医学部長になった頃から、「大学は、人を育てる場であり、教育が一番重要」と改めて位置付け、改革に取り組んできました。私は2010年4月に医学部長に就任し、嘉山先生の方針を引き継ぎ、実践しています。そのコンセプトは三つです。 第一は、より良い最高の医療を提供するためには、大学内、さらには地域においてネットワークを組み、協力体制を作ることが必要であり、医学教育はその一環として実践するという発想です。教育、臨床、そして研究は三位一体なのです。教育のためだけに何らかのシステムを作っても、意味がありません。最高の医療という「本物」を実践している中に組み込むことで、良い教育につながると考えています。 山形大学では、いち早く2007年9月から「キャンサートリートメントボード」を開始しましたが、まさにこの考え方が現れています。これまでの実績では、約3割の患者...