1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. EPOを治験、日本での“生みの親”に◆Vol.18

EPOを治験、日本での“生みの親”に◆Vol.18

スペシャル企画 2015年8月18日 (火)  橋本佳子(m3.com編集長)

――東大教授時代、血液疾患関係の治験を多数手がけた。その一つが、貧血に用いるEPOの治験だ。 私が日本の臨床に貢献した一つが、EPOをはじめとする幾つかのサイトカインの治験の責任者を務めたことですかね。私がシカゴ大学に留学していた当時の研究室のチーフだった、GoldWasser教授は、その後、EPOの純化に成功。 それを基に、米国のAmgen社が、遺伝子組み換えのEPO(rEPO)の作製に成功しています。さらには遺伝子組み換えG-CSF(rG-CSF)の開発にも成功した。しかし、日本のKirin-Amgen社の上層部は、TG-CSFの日本での開発にあまり関心を持っていなかった。それで、当時のAmgen社の社長が来日した際、Kirin-Amgen社の社員とともに、私の自宅を訪れ、日本でも治験をやるように、Kirin-Amgen社の上層部に説得するよう頼まれました。 それで、rEPOとrG-CSFの治験を、日本で同時に進めることになった(rEPOの腎不全透析症例への治験は、1986年から開始、約3年で保険適用になった)。rEPOは、アメリカでは効果を上げていた。けれど、当時の厚生省はうるさ...