1. m3.comトップ
  2. 医療維新
  3. 存続の危機から人気病院に、水戸協同病院◆筑波大学Vol.3

存続の危機から人気病院に、水戸協同病院◆筑波大学Vol.3

スペシャル企画 2015年8月15日 (土)  高橋直純(m3.com編集部)

茨城県の県庁所在地で、駅前近くに位置する水戸協同病院。筑波大学の地域医療教育センターの1つだ(『教員を地域に派遣、教育と医師確保に貢献◆筑波大学Vol.1』を参照)。しかし、全国2位の医師不足県にあっては、2004年度の臨床研修の必修化以降は医師確保に苦しみ、最も少なかった2008年には病院全体で医師数が22人にまで落ち込んだ。病院存続の危機もささやかれる中、2009年に筑波大が全国初の民間病院のサテライトキャンパスとなる水戸地域医療教育センターを病院内に設置した。22人の医師が派遣され、そのうち11人は教員という立場だった。 筑波大総合診療科教授で、水戸地域医療教育センター副部長の小林裕幸氏は「ほとんど別な病院に生まれ変わった」と振り返る。センター開設の目的は、「大学教員と病院医師が一体となり、総合診療、救急を中心とした地域のプライマリケアを展開すると同時に、医学生と研修医に実践的な教育をすること」と定めた。開設と同時に、内科各診療科の垣根を取り払い、全ての専門領域の内科医師が総合診療科に所属する体制に変革。内科患者は総合診療科を受診し、レジデントチームは各科専門医の指導の下、初期診...