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無医地区が全国で2番目に多い県◆広島大学Vol.3

スペシャル企画 2015年8月24日 (月)  成相通子(m3.com編集部)

広島県は北海道に次いで2番目に無医地区が多い。人口約280万人の県に、医学部があるのは広島大学のみ。地域に根付いた臨床医の養成は喫緊の課題だ。 2006年の医師数調査では、全国で医師数が減少に転じたことが判明。広島県でも診療体制を縮小する医療機関が相次いだため、2008年に危機感を持った広島県知事、県医師会、広島大学長らが連名で緊急アピールを発表し、地域医療の現状を県民に訴えた。県は医療体制整備事業として医師確保対策の推進や地域医療の充実に努めている。 2010年に県の寄付金で開設されたのが広島大学地域医療システム学講座だ。同講座では、5年生で行う必修の地域医療臨床実習、6年生の選択の臨床実習、1学年20人の「地域枠」の学生の地域医療実習の指導やコーディネートを実施している。 特に5年生の地域医療の臨床実習は、広島県の山間部や島しょ部(中山間地域)の病院と連携して、4泊5日の泊まり込みで行う。文部科学省のモデル・コア・カリキュラムの一環だが、広島大学では特に医師不足が深刻な中山間地域の医療について理解を深めることを目標に掲げ、全員が中山間地にある5つの病院(庄原赤十字病院、安芸太田病院...