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「大学が生涯、医師の異動を把握」案提言、医学部新設対案

レポート 2015年8月20日 (木)  池田宏之(m3.com編集部)

日本医師会と全国医学部長病院長会議は8月19日、医学部新設への実質的な対案となる「医師の地域診療科偏在解消の緊急提言」の骨子を公表し、会見を開いた(資料は、日医のホームページ)。 提言の骨子には、卒業大学が医師の異動を生涯にわたって把握する「医師キャリア支援センターの設置」や、「大学所在地域における研修の原則化」「医療機関管理者要件への医師不足地域での勤務経験の導入」などが含まれていて、大学医局機能や、医師への規制強化とも受け取れる内容が並んでいる。 千葉県成田市の医学部新設構想で、医療関係団体が“蚊帳の外”に置かれて進んできた経緯がある中で、提言について、規制強化などに対する医療界や医師会内部での反発を想定しながらも、反対意見を示すだけでなく、偏在解消に向けた実質的な対案を可能な限り早く示すことで、事態の打開を図る意図がありそうだ(『成田市の医学部、2017年度開学の可能性も』を参照)。「(養成数が増加して、混乱した)歯学部になりたくない」との発言もあり、医師の養成数の際限ない増加を防ぐための苦渋の選択だったとも言える。成田市の医学部新設は、提言の中で、計画の差し止めを求めている。細...