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95歳元軍医が語る戦争「食べないと人は餓鬼になる」◆Vol.1

スペシャル企画 2015年8月22日 (土)  高橋直純(m3.com編集部)

戦後70年目となる今年8月15日、95歳の元海軍医、佛坂泰治氏が『「雪風」からみた「大和」の最期』(佐賀新聞プランニング)を出版した。佛坂氏はラバウルやガダルカナル島に従軍した後、戦艦大和とともに特攻出撃。戦後は93歳まで地域医療に従事した。本の内容を基に、戦時中の軍医としての仕事などを聞いた。 軍服姿の佛坂氏 ※『「雪風」からみた「大和」の最期』より引用 佛坂氏は1919(大正8)年10月、佐賀県で生まれた。父が医師だった影響もあり、1936(昭和11)年に九州医学専門学校(現久留米医大)に入学。5年制だったが、海軍に入隊するため卒業が3カ月繰り上がり、1941年12月に卒業。1942年1月に医師免許を取得し、海軍に軍医少尉として任官した。 当時は卒業生のほとんどが陸軍か海軍に任官した。海軍に決めたのは親戚がいたことと「陸軍は泥臭く、海軍がかっこよかった」。任官と同時に海軍砲術学校に入校。海軍兵術全般を学んだ後、同年6月から軍医学校普通科で応急看護術を教わった。6月20日には海軍工廠に配属され、初任務は工員約4万人への予防注射だった。 従兵は元村会議長 10月には第8艦隊旗艦「鳥海」...