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研究重視で総合診療医を養成◆三重大学Vol.1

スペシャル企画 2015年8月29日 (土)  池田宏之(m3.com編集部)

三重大学大学院医学研究科家庭医療学講座(竹村洋典教授)は、地域医療を担う総合診療医の育成で有名だ。2011年に日本で初めて、地域の病院に医師を配置する寄付講座を設置して以降、県内外に人材を輩出している。臨床医と捉えられる総合診療医のイメージを越えて「日本発のエビデンスの構築」に向けて、総合診療の研究者を育てることに力を入れている。地域に設置した寄付講座の医師には研究を義務として課し、エビデンスの発信に注力する。竹村氏は、欧米のエビデンスをそのまま導入しがちな傾向に疑問を呈して、行政や総合診療医教育まで見据えて、エビデンスを発信したい考えだ。 三重大学大学院医学研究科家庭医療学講座の講師は、通常の診療をこなしながら、研究もするのが「義務」となっている。 医療提供幅狭いと、入院増加 三重県亀山市の亀山市立医療センター。三重大学は地域医療の現場として寄付講座を置いている。総合診療科には、「三重大学助教」の肩書を持つ医師が常勤医として勤務し、前期研修医、後期研修医が研修を続けるほかに、三重大学の5年生や6年生が実習に訪れる。記者が同行取材したある日の病棟では、研修医が十二指腸潰瘍で歩けなくなっ...