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高校で総合診療医を“青田買い”◆三重大学Vol.2

スペシャル企画 2015年8月30日 (日)  池田宏之(m3.com編集部)

総合診療医の育成に当たって「研究」に力を入れる三重大学大学院医学研究科家庭医療学講座(竹村洋典教授)だが、「教育のあるところに人が集まる」(竹村氏)との信念に基づいて、教育にも力を入れて、多様な取り組みを展開している。「患者目線で医療現場を見る」1年生の教育が、5年生、6年生になれば、上級医とともに、現場で患者を受け持ち、処方や治療方針について学ぶようになる。「早い段階での意識が重要」と考える竹村氏は、県内の高校で、総合診療医が仕事の内容を紹介する授業を実施して、志のある学生を“青田買い”する取り組みを始め、効果が出ている。 三重大学医学部の1年生向けの授業風景。「患者目線」で医療を見てもらうことが狙いの1つ。 医学生「医療とは違う知識が必要」 地域の医師は1年生から教育を始める。1年生向けの教育は「医療と社会」が1つの大きなテーマとなっている。1年生は、地域の医療機関の現場に足を運ぶ。7月の授業では、見学を終えた1年生を前に、竹村教授は、医療の在り方について切り出した。「かつては常に救う医療だったが、今は“軟着陸”が必要ではないか」と述べた。“軟着陸”は、慢性期疾患を抱える高齢者に対...