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医学部時代、競って英語の教科書読破◆Vol.4

スペシャル企画 2015年9月4日 (金)  橋本佳子(m3.com編集長)

――慶應高校卒業後、無事、希望する慶應義塾大学の医学部に入学。1960年のことだった。 学生時代、印象に残っている一冊が『Surgical Metabolism』だという(撮影:的野弘路) 当時は、1学年90人くらいだったと思います。1、2年目は日吉で、文学部などと一緒の授業もありました。記憶に残っている特別講義が、当時、日本医師会会長だった武見太郎先生の講義。武見先生は、慶應の出身。医の倫理などをテーマに講義されました。 あの頃は、今と違って、授業は座学中心。教科書は、ドイツ語ではなく、ほとんど英語。インターネットもなかった時代、図書館にある本を借り、競い合って英語の教科書を読んでいました。「僕はこれだけ読んだ」などと見せ合っていた。印象に残っている教科書が、Francis Moore先生が書かれた『Surgical Metabolism』。私は、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)の編集委員をしており、この6月に、アイスランドで編集委員会がありました。懇親会の時に、隣に座った米ハーバード大学の内科系の教授が、「自分は若い時に、ボストンのハーバードのMoore...